求職者の使いやすさを徹底して問い続けた各種連携プロジェクト
求職者体験の向上に向けて、進めてきた応募連携プロジェクト。
使いやすさを追求するためのこだわりや思いについて、プロジェクトメンバーの角本さん、Sさん、細田さんに話を聞きました。
プロダクト部 テックリード
角本 幸生
プロダクト部 プロダクトオーナー
S.M
プランナー
細田 春音
より良いユーザー体験へ、応募ページへのシームレスな移行を実現させる
―プロジェクトの取り組み内容と、背景にあった課題について教えてください。
角本:今回のプロジェクトでは、2022年6月に実装されたスタンバイで掲載されている求人詳細ページから掲載元企業の応募フォームに直接遷移させる機能リリースから始まり、掲載元に遷移することなく、スタンバイ内で求人への応募を完結させるための採用管理システムとの応募連携、求人メディアとの応募連携と、一つひとつユーザー体験を向上させるための機能改善を進めてきました。
プロジェクトメンバーは、フロントエンドエンジニアを含め常時3~4人。プランナーのSさんがプロジェクト立案から他部署との調整、リリースに至るまでの推進業務を担い、開発全般を見る私との少数体制で進めてきました。
S:掲載元企業の応募フォームへ直接遷移できる機能や採用管理システムとの応募連携を進めた背景には、定期的に行っているユーザーインタビューから、スタンバイと掲載元のドメインを行き来しなければならないことによるUX(ユーザー体験)の悪さを指摘されていたことが挙げられます。求職者の視点に立つと、すぐに応募したいのにスムーズにスタンバイ内で応募完了まで至れない不便さがあり、それが理由でサービスが選ばれなくなる可能性があるクリティカルな体験なので、絶対に解決しなければいけないという課題感があったんです。掲載元に遷移することなく、自サービス内で応募を完結する機能は、すでに競合サービスが実装済みの機能であり、スピード感を持って実現することも必要でした。
さらに実現したい体験として出てきたのが求人メディアとの連携です。当時、競合サービスでは取り組まれていない機能でしたが、スタンバイを利用するユーザーの体験をより良いものにしたい、という考えから周囲の同意も得られ、プロジェクトとして進めることになりました。
―ユーザー体験を高めるもう一つの取り組みに、広告配信機能改善のためのデータ分析プロジェクトがあります。どのような活動をしていますか。
細田:私が参画しているのは、広告枠の配置に関連した機能改善に関するプロジェクトです。とくに担当しているのがデータ分析で、求人企業と求職者とを適切にマッチングするには、どのような求人の出し方があるのかをさまざまなパターンで分析を進めてきました。
例えば、スタンバイに来訪した求職者は、どれくらいの量の広告を見たら体験の悪化につながると言えるのか。その結果は、仕事探しの意欲の高さなどの求職者の状況、さらには検索条件によって違いが表れるものなのかなども、データ分析によって傾向が見えるようになりました。スタンバイの事業成長に向けて、今後どのようなプロダクト改善が必要になるか、次に取るべきアクションの洗い出しや中長期的にどれくらいの効果が見込めるかなどの調査・分析を行っています。
複数部署を巻き込み、前例のないメディア連携を進める
―プロジェクトを進める上で、ぶつかった壁や大変だったことはありますか。
角本:掲載元企業の応募フォームへ直接遷移する機能ではインフラや法務、営業など他のグループとのかかわりが多く、協力を仰ぎながら協働していく必要がありました。複数グループにまたがる調整を進めるSさんは大変でしたよね。
S:他グループを含む全体のロードマップがある中で、「ユーザーにとって必要だから」と、自グループだけの判断でロードマップを変えることはできません。でも、この機能開発はユーザーのために必要。一方ではすぐに売り上げにつながるといった短期的なリターンを見込むことも難しい側面があり、どうしても日々の業務が優先されてしまうといった課題を抱えながらも、プロジェクト推進者として「全社の戦略に鑑みた中長期的な効果・見通し」や「他の手段と比較した結果」などを踏まえ「なぜ今やるべきなのか」を論理的に伝え、多くの部署を巻き込んでいく必要がありました。
また、求人メディアとの同仕様での連携機能は、当時競合サービスでの事例がないことから、求人メディアを運営する企業様にとっても前例がないものでした。開発に協力いただくには、スタンバイを利用する求職者の利便性が向上することで、企業と求職者のマッチングの機会を増やすことに直結するという、企業にとっての導入メリットを理解していただく必要があり、丁寧なコミュニケーションが求められました。技術的な面では、採用管理システムとの連携機能開発を進めていたときから、求人メディアとの連携も見据えてカスタマイズしやすい仕様で開発検討をしてもらっていました。求人メディア運営企業様からのニーズにも少ない工数でカスタマイズできているのは、これまでの先を見据えた開発経緯が生きていると思っています。
角本:確かに、先の展開を考えて開発を行ってきたこともあって、求人メディアとの連携機能での技術的な大変さはありませんでした。企業様各社が持つ独自の仕様に対応できるようにしなくてはならないのですが、とてもスムーズに開発を行うことができました。
データ分析環境の改善から、UXと事業成長の両立を目指す
―プロジェクトを通じて注力してきたことや、そこから生まれた変化ややりがいについて教えてください。
S:自ら課題を発見し、能動的に動けるのが、スタンバイで働く面白さです。データ分析を行う環境をより良くしたいという思いから、細田さんが旗振り役となって有志の取り組みも進めていましたよね。
細田:そうなんです。分析業務ををもっと効率化させたいという共通の課題感を持ったメンバーがいたので、有志で集まり、ユーザーの行動分析やデータ抽出のフォーマット作成など、プロジェクトの合間で改善を日々進めてきました。
一人では煮詰まってしまうところも、複数人で集まるから「こんな分析をしてみよう」、「今後のために仕組み化しよう」とアイデアが出てきて、学ぶ意欲も刺激されました。データ分析を進める上では、プロダクトの理解が浅いままでは間違った解釈を生む可能性があります。Sさんやエンジニアの皆さんに気軽に質問ができるので、地に足のついた分析や解釈ができるようになったと思っています。
他グループでデータ分析をしている人にも、私たちのグループならではのノウハウややり方を共有していて、お互いに吸収し合えるような環境づくりを少しずつ進められている実感があります。
―これから取り組みたい課題について教えてください。
S:私たちのような求人検索エンジンを利用する求職者へ、よりよい体験を提供するためには、求職者が興味を持った求人へアクションするところから掲載元企業様各社へのつながりを、いかにシームレスな体験とできるか。UXを追求しながらも、売上も上げられるような企画や施策を考えなくてはなりません。そのバランスと開発スピードをどう高められるかが重要な課題ですね。
スタンバイで実現したい機能開発がたくさんあるので、その検証や実現のために、データ分析の環境整備は欠かせません。定性的な良し悪しだけではなく、データを元にした仮説検証を重ねてていくことで、施策の精度を上げていけるからです。分析環境の改善活動は引き続き推進していきたいです。
細田:そうですね。グループ内外でデータ集計の指標を定義したり、統一されたやり方で可視化するなど、分析業務を徹底的に効率化し、プロダクトの方針に関わるような重要な課題の発見と解決に向けた提案を現場から積極的に発信していきたいです。
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